これなんだかわかりますか?
橋桁みたいなこの構造物・・・   すべて木材(しかも無垢材)で作られています

なんとこれは 専門用語で”トラス”(合掌)と呼ばれる木構造の一つで
主に大きいスパン(間口)を作るのにこの工法で 柱間を結びます
そうすることで  柱の要らない大きな空間を作る事が出来るので
工場や、体育館、など大空間が必要な建築物に必要な工法なのです

しかし この工法は当然のごとく 屋根の荷重に耐えなければなりませんので
頑丈でなければなりません  
ちなみに雪の多いここ福井県では 600kg/㎡の屋根荷重に耐えなければなりません
(雪のない地域では300㎏程度で構わない・・・)
だから 普通の鉄骨をくみ上げる方法で木材を組み上げようとすると、
とてつもない大きさの木材が必要となり、現実不可能でした
しかし今回 この方法(平行トラス)を採用することで、小さい断面の木材で
このような大きい部材を作ることができ このような広いスパンを作ることができます
(ちなみにこの試験体の長さは10m)

この方法を考案されたのは東京大学の木質構造デザイン工学 教授の腰原先生です
福井の 木造建築並びに金物プレカットメーカー ”松栄建設”さんが
JBN(jaban builders network)の紹介を経て今回この工法を取り入れた工場を建築しようとされています。 しかしながら日本でも初めての試みであるので
このように 実大試験を行い設計強度通りの性能が実際発揮されるか確かめています

写真お分かり頂けるようにトラスの上に水タンクを配置し 水をどんどん入れていきます
計算上ではこの大きさですと、 13tの水を載せても大丈夫だそうですが
実大試験は 壊れるまで行わなければならないので 
その約1.5倍の19tまで水を入れられるようにしています

トラスのいろんなところにセンサーをつけ 荷重をかけていく中でどれだけ歪むかを
測っているところです  これがそのコンピュータ―

この段階で、実はすでに19tの水がトラスの上に乗った状態です
このトラスの継ぎ手部分に若干の隙間が生じていたためこのように木材がつぶれて
しまっています  しかしきちんと加工されているところはなんともありません

本来は壊したかったそうですが 想定される荷重の1.5倍の荷重をかけても
びくともしてません  たわみもごくわずかです

このような実験を経て木材が今まで不得手としてきた大スパンの建築物が
建てられるようになってまいりました  しかも今回の工法で間違いなく
鉄骨造より LOWコストで出来上がることが確認されました 
いよいよこのような木造建造物が広がってくる予感をいたしました!!

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[...] 前回9月25日に投稿しました『地域材中小断面の可能性』詳しくは LINK がいよいよ実際に建築工事が始まりましたので 詳細をお伝えします!! またこの新聞記事はその概要を簡潔にまとめられているので載せておきましたので ご覧いただけるとわかりやすいですよ(笑) このような実験でその性能は確認されたものの、 やはり実際となると施工という部分でいろいろ不安はありますよね 基礎と、土台風景  やはり工場ですので 住宅と違い『立上がり』がありません フラット基礎・・・  というより土間ですね その上に土台が伏せられていきます。 いよいよ建方! ・・晴天に恵まれ絶好の建前日和! しかしこれだけの規模となりますと 1日では終了しませんね 約1週間はかかるでしょう さて技術的な話を・・ この工事の施工されている『松栄建設』・・・・詳しくはLINK様は HPにも紹介がされているとおり『SR工法』という金物接合で構造躯体を形成し 耐震パネルを併用した高耐久の住宅を建設されている地元有力ビルダーさんです この工場の構造計画に際しては 『一般社団法人JBN jaban builders network』詳しくは・・・LINK を通じ 東京大学 木質構造学 腰原先生の監修のもと計画されています。   今回の大きなポイントは中小断面(12~15㎝X45㎝)の無垢材を構造部材に使用し このような大空間を作り上げることです 一般的には 鉄骨造にするか  木造ならば大断面集成材を用い大空間を作るのですがやはり特殊仕様となるため コスト高になることは避けられません。 また鉄骨造と同様に自重がありますので 基礎も頑丈に作る必要があるため、どうしても基礎工事にかかる費用がかさんでしまいます。 しかしこの工法は このように柱も15㎝X15㎝と一般的な住宅の柱とそんなに違いありません(一般的な住宅は 13.5㎝X13.5㎝ もしくは12㎝X12㎝) そしてこれが最大のポイントで  いわゆる平行トラスといわれる工法で 決して特殊工法ではなく 地元の大工さんでも十分に加工のできる部材です [...]

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